副作用と治療の移り変わり
                                     
 私は3才の時に発疹して以来20年間、副腎皮質ステロイドホルモン剤の塗り薬を全身に長く使用していました。有名大学病院の小児科へと通い続けました 小児の頃は専らステロイド剤を全身にたっぷり湿布して包帯を巻くというステロイド湿布療法を繰り返し行なわれました。その際に私が聞いた言葉は「大丈夫。すぐ治るから我慢して」でした。また大変強い気管支喘息も併せ持っていたので公害手帳を所持し医療費を免除されていました。
 中学校に入り運動を始めると喘息は次第に改善されていきましたが、アトピー性皮膚炎はあまり快復せずむしろ悪化していきました。
 21才になりステロイドホルモン剤が徐々に効果を失っていることに気付き始めました。私は中途半端な自分の判断で薬を突然やめました。身体の各部分への塗布を中止してから頚部(胸から上部)に塗ることをやめていきました。しかし最終的に全く使わなくなるまでその後も2年かかりました。今思うとステロイドを離脱する治療に関しての認識の甘さがありました。最初の禁断症状が出たのは中止後1年でした。 そしてその時を皮切りに、日常生活を送る事が大変困難な日々を強いられました。最も一番辛辣な時はただ横になっていることがやっとでした。どうしても風邪をひきやすくなるので抗生物質の薬疹も度々ありました。 寝たきりの患者にとってこの苦痛は耐えがたいものでした。全身の皮膚が糜爛によって呼吸しない。ほてりと寒気の繰り返し。皮膚が乾くと洋服や包帯にこびりつき悲鳴をあげる始末で点滴剤と注射が打てない日が続きました。また食べ物の嘔吐を繰り返しました。医師の指示に従って気をつけていても皮膚の微細なウィルス感染を避けることは困難なことでした。その上に精神的にもきつかったのでただ眠り起きるという動作をやっとのことで繰り返すだけでした。
  現在私はステロイドホルモン剤をやめて長い時間が経過しました。強弱強弱と出て亀が這うようにゆっくりと経過しているようです。以下は私の治療の流れをまとめました。そこには当然有益だったことと無益だったことが含まれます。アレルギーの状態も様々に違います。このページが離脱やアレルギーに苦しむ患者さんに少しでも役立つことを望みます。
                               

離脱当時の各数値
IGE 30800
LDH 433
好酸球
      処方

  症状

   併用

   内服

ステロイド利用歴  胸部と顔、首21年全身18年
幼児〜中学1年まで喘息に内服を常用。 

  入浴療法など

セルテクト
I.P.D
(抗体を下げる薬)
ポララミン
トパルジック
(眠り薬) 

パスタロン
ザーネ
レスタミン
親水軟膏
ザジベル
オイラックス

中止後1年1回目 禁断症状(春〜梅雨) 頚部。腕、足膝関節を中心に炎症、糜爛と蕁麻疹を繰り返す。 一時、ステロイドに戻る

タイツコウ
亜鉛化軟膏

(冬) 手首、腕、膝裏から股関節下肢部、胸部と広がる。13年ぶりに喘息再発。大粒の蕁麻疹繰り返す。の ぼせ、熱り、冷えが何度もくる。慢性不眠状態入る。 

ゼスラン
アタラックスP

(アレルギー剤精神薬)

    漢方療法(煎じ薬)

メキタール

白色バセリン


(梅雨) 乾燥と落盤のひどさ。炎症ほぼ全体に広がる。風邪薬に全身がかぶれ注射をする。(秋) 仕事を断念。            

    入浴療法

ビオチン(ビタミンH、整腸剤)
ビオスリー
ニポラジン
アタラックスP

ベシカム
グリパスC
ニゾラール
アズノール
プロペトバセリン

 
(冬〜梅雨) ほとんど寝たきり状態炎症は全体、連日の惨出液と糜爛、落盤。風邪薬再びかぶれる。発熱と嘔吐繰り返す。体のほとんどに糜爛が拡大してしまう。

 強酸性水とイソジン消毒療法

ポララミン
ビタミンC、B

亜鉛化軟膏
アズノール
カンファーレシチン
木酢ラノリン

 初夏〜秋
感染のため3ヶ月入院する。一時、
100%治癒するが退院後数日で6割再発(冬から梅雨)再び足くるぶしまで湿疹がくる。
        

湯治療法

エビオス
ツムラ漢方エキス剤
ビタミンC

紫雲膏と太乙膏など。少しずつ油受けしなくなってきた (夏〜冬)医師と栄養士のもとで食事療法を学ぶ。開始後、2月の間下肢悪化。4月後に下肢ほぼ改善。しかし梅雨時と夏の発汗時は全体に湿疹があせもと現れる。その後は頚部(胸部より上)と前腕部の発疹、燥を繰り返しなかなか改善しない。

食事療法
    

  漢方薬(煎じ薬)
 去風敗毒散料 
  十味敗毒湯加連翹  
  白虎加桂技湯
  温清飲加連翹
 清上防風湯加意苡仁
  桂皮加黄旨湯(2)

 保湿剤
(5年目の秋〜冬)
 漢方に再び挑戦開始。今夏もラジカルに出た。秋の乾燥期も一苦労します。とにかく湿度に左右されるので疲れたり水分を取りすぎると患部に大きな丘疹が天の川みたいに出ます。痒さも相わらず。常に進行中。頚部落盤も繰り返し。ほてりによる寒冷蕁麻疹が悩みの種です。皮膚の状態は紫で硬化。
温泉療法と基本的な食事に注意
漢方療法(煎じ)
      7年目の梅雨〜夏〜真冬)

発汗すると皮膚が炎症し激痒、ガサガサ状態。どんな保湿剤もこうなると効かない。
一番ひどくなる箇所は、顔の額・頬・口周りとリンパから鎖骨にかけての頸部そして腕関節。
胃腸はとても敏感で慢性の下痢が続く
。腎臓が働いてくれることを望む。寒さとホルモンの関係には口唇切れがともなう。真冬の全身蕁麻疹もうずく。冷えと乾燥は続く。
食事
アンダーム(一時的)紫雲膏 ワセリン (8年目の梅雨と真夏)

 今年の梅雨は長かったこともあり例年よりひどく発疹した。
特に7月の半ばからは頭、顔、首から始まり発汗と共に少しずつ胸、脇の下、お腹と広がり、8月になってから猛暑になったとたん膿化疹が前腕と顔中心に出る。食欲低下。5年
ぶりのブドウ球感染にかかる

テール軟膏
(9年目の1月〜5月)
 草津の寒湯治を1月末から5月までの100日近く行なう。
 治療目的は感染を止めることと排毒の促進のため。
  現在は帰省して1月以上経ち、連日30度以上の真夏日を過ごす。帰省後行なった血液検査で温泉はアレルギーの抗体を減らさないことと抗体は老化と共に下がることを知る。草津でも排毒は一度にまとめて出ないことを再認識する。やはり薬を使った分と期間により湿疹は出る。ステロイドを使った箇所は湯治中であれ硬く肥厚していた。

 再び病院の食養内科で栄養士と医師の指導を受け始める。
作者は抗体が大変高いために何を食べても、触れても炎症を起こす。
 20年間使ったステロイド依存の箇所(顔、首、指、手、腕)は乾燥して赤く炎症し雨、風の日は埃と共に膿が出る。しかしここ数年はとりわけ腕と手指に強く発疹がひどくなっている。これは生活条件が変わり、代謝が部分的に活発になったと思われる。作者の課題は感染を避けることである。
殺菌として源泉水と湯花を使う。
煎じ薬
四君四湯(胃薬)
加味帰脾湯(気の薬)
エキス剤補中益気湯
十全大補湯(胃薬と気の薬)
猪令湯
(腎炎、利尿剤)
内服薬グリチロン(甘草エキス、痒み止め)
眠剤アタラックス(痒み止め向精神薬)
ランドセン(てんかんの不安止め)
クラビット服用
インタールなど
ビーソフテンローション
モクタール(亜鉛化軟膏)
草津の源泉水
(煮川)
 2005年の真夏に離脱をして約10年を向かえました.
しかしながらこの病気は一進一退なので久々にブドウ球菌感染をおこしました。そこで慌てて草津の高温浴、これは拷問に近かったです。
 どうやらステロイドは駄目でもプロトピックはよしと言う医師はいます。私も何度か使ったプロトピック、この効果はステロイドより良かったです。
 しかしプロトピックはまだ新薬だから誰もこの副作用は経験していません。免疫を止めてアトピーを改善するので将来は悪性リンパ腫、皮膚癌になりえるとデーターが出ています。
 
安くて済む小さな薬は、将来感染や眼病と言う合併症では済まなくなるほど、その代償は患者にとっては大きくなるかもしれません。
さらしやガーゼで包帯を用いて
ケアする。

草津源泉(白旗)
漢方風呂(トウキ、シャクヤク、センキュウ、ガイヨウなど)
漢方エキス剤
四物湯(血行促進)
桔梗石膏湯(ほてり熱感をとる)

黄連解毒湯(抗炎症)
梔子柏皮湯(抗炎症)
ビオスリー(整腸剤)
四物湯
当帰飲子(血行促進)
ビオスリー
当帰
四逆加呉茱萸生姜湯(婦人病、腰痛、霜焼け)
ビーソフテンローション
モクタール
ローズマリー水
へちま水
ヘンプオイルなど
ビーソフテンクリーム
よもぎローション
(10年目の秋、冬)

 例年のように乾燥、痒みが強い時期がきました。

 真夏以来七年ぶりに通院しています。
 ビオチンを含むビオスリー整腸剤をベースにエキス漢方を飲んでいます。ビオスリーはカンジダアレルギーに対する処方です。これは牛乳アレルギーを持つ人には向きません。 アトピーに関わらず、長年の血虚(代謝が悪く血液中の滋養不足)、淤血(寒性による気、血、水の滞り)体質を改善していくことが目標です。
また生薬は日に1グラムのリコリス(甘草)を含みます。
 

                                                                                         
                           

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